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冬音

Author:冬音
北海道でドール撮影をしています。
北海道は季節感が本州と多少異なりますが、それも個性ということで。
北海道地図があると、より楽しめるかと思います。

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人形小話

Category : 1/6ドール
今回は眠れない日に書いた、つまらない話を1つ取り上げようと思います。
眠る直前にアイディアが出ると、暫くそれの事を考えてしまうものなんです。
どうしても読みたい人だけ、追記からどうぞ。
時は平成、ポ〇モンが世間で話題になった頃、とある家族が祖母の家を改築し、
そこに同居することになりました。
新しいお家に引っ越す前にその家族の5歳の健太は、たまたま同じ幼稚園の女の子の家に遊びにいく事になりました。子供らしく、女の子に言われるままにままごとやぬいぐるみで遊んでいましたが健太にはどうしても気になるものがありました。それは背の届かない場所に置かれた『リ〇ちゃん人形』。テレビアニメのCMで時々流れて、そのたびに健太は「かわいい」と思っていました。
でもその日は夕方になったので健太は女の子に「バイバイ」と告げてお家に帰りました。そして二度と逢うことなく新しいお家に引っ越していきました。

引っ越した後も健太の記憶の片隅に『リ〇ちゃん人形』の笑顔が残っていました。でも「人形遊びなんて男の子らしくない」と思っていた健太は優しい祖母にこっそりと聞きました。
「僕の家に人形はあるの?」
祖母は立ち上がると「ちょっと待っててね」と言い残し、裏庭の物置へと向かっていきました。
十五分後、祖母は古く、少し埃をかぶった木箱を持ってきました。
「これしかないけどいいかい?」
健太は興奮した様子で木箱を開きました。すると中に入っていたのは自分の身長の半分くらいの大きさがあり、背中まである黒髪に綺麗な着物、キツイ大きな目をした顔立ちのいい人形でした。
「こんな怖い人形しか無いの? おばあちゃん」
健太は少し涙目で聞きましたが「これしか持っていない」と言われました。
仕方ないので箱の中の紙に書いてあった「りか」と名付け人形を自分の部屋に持ってきた健太ですが、「やっぱり怖いよぅ…」その日からしばらくは人形を壁側に向けておくことにしました。
それから十日ほどのことでしょうか。健太はある変化に気づきました。
人形がこっちを見ているのです。はじめはお母さんが動かしたと思い「お母さん、あの人形動かした?」と聞きました。でもお母さんではありませんでした。ならおばあちゃんかと聞きました。しかしおばあちゃんでもありません。なら誰が動かしたのだろう。お父さんは出張で家を空けているし… とりあえず健太は人形を観察することにしました。五分、十分、二十分。人形は全く動く気配がありません。だが人形の首が動くことはありませんでした。
「もしかして、人形が勝手に動いた…?」
健太は思わずそう呟くと。「いやいや、人形が動くはずがない」と思うことにして、また人形を壁側に向けることにしました。
翌朝、健太が目覚めると手にサラサラした感触。
「うん…?」
ぎゅっとすると固い感触。
「うあぁ!」
側にはあの人形。昨日確かに後ろ向きに置いたはずなのに。
「な、なんで?」
健太は怯えながら後ろに下がっていく。

“わたしとあそんでほしいの…”

少しずつ、少しずつ近づいていく人形。
「わああああん~!」
健太は、一目散に部屋から出ていきました。
“あっ…”
そこには人形だけが残されました。

夕方、健太は恐る恐る部屋に戻ってきました。
「あの人形が襲ってきたらどうしよう。僕、呪われるのかな…」
襖をそ~っと、指の太さくらい開け、健太は部屋を覗きました。物音は聞こえず
、人形の顔も見えません。
「大丈夫かな」
健太は思い切り襖を開きました。
「あれ、いない…」
部屋中見回したが、何処にも人形の姿はありませんでした。
「どこに消えたんだろう」
その日から人形は健太の前から姿を消しました。


それから10年後、すっかり成長した健太は高校生になりました。家から少し離れた場所で一人暮らしですが、楽しい学校生活を過ごしていました。
ある日、そんな健太に転機が訪れます。それは帰り道に必ず寄る道でのこと。

「あの子、カワイイなあ…」
それは漫画やアニメ、それこそ秋葉原でしか見ないようなメイド服、でもどこか高貴そうな人。
現実離れしたそのミステリアスな雰囲気は僕に限らず周囲の視線を良くも悪くも独り占め。
「あの子、お嬢様と山奥の屋敷で暮らしているらしいよ」
―ふと、何処からかそんな声が聞こえてきた。
その屋敷はこどもの頃から「幽霊屋敷」と呼ばれ、夏の肝試しの定番となっている場所だった。しかし今ではもう行く子供もいない。
「あんな所に人が住んでいるのか?」
健太は半信半疑ながらその話に興味を持ちました。
休みの日、健太は意を決して自転車で山奥の屋敷に向かう事にしました。バスなど通ってなく、きつい坂を上らないといけないためここを心霊スポットで訪れる者は大体車で屋敷の近くまで行くのです。それに夏休み中でヒマだったのでしょう。
坂の上にようやく屋敷が見えてくる頃には、僕は疲れ果てていた。
ここまですれ違う車も無く、ひたすら、ただひたすら名も知らぬ女の子目当てに坂を上り続けた僕は道路に大の字になって「何やってんだろう、僕」と小さく呟く。

―まだ、肝試しの季節には早いですよ。
人形小話02

どこからか、そんな声が聞こえてきました。

「こんな道の真ん中で寝ているなんて、体の調子が悪いのですか?」
あれは、お嬢さま付きのメイドさんだ。
「大丈夫、少し疲れただけだから」
よいしょ、と立ち上がる僕。
「屋敷に何か御用でしょうか」
メイドさんは淡々と聞いてきた。
ここで黙っていたらわざわざ坂を上った意味が無い。
「あの、ここのお嬢さまに逢わせてください!」
「…………」
メイドさんはじっと健太の顔を見つめる。
「…………」
「…………いいですよ」
メイドさんはゆっくり、そして無表情でそう言いました。
「ありがとうございます!」
僕は感動しきりだった。
「私の後について来てください」
あくまで淡々と、表情を崩さないメイドさんに変な感じを持ちながらも僕は屋敷の中に入っていきました。


間違いない、子供の頃来た幽霊屋敷だ。
僕は不思議に思った。外観は昔よりさらにボロくなっているのに、屋敷の中は綺麗なままなのはおかしい。幽霊屋敷だからそういう事もあるのか…?
「メイドですから。掃除もしますよ」
三歩前を行くメイドさんが、僕の意志を見透かした様に話す。なんか、とっかかりのない人だ、彼はそう感じました。

「この扉の向こうに、お嬢はいらっしゃいます」
一際重厚な扉、この向こうに初恋の人がいる。
彼は覚悟を決めて、重い扉を開く。

そこには、何十畳もありそうなただただ広い部屋の真ん中に、サイドテーブルとイスしかない空間だった。
そこに、あのお嬢さまが本を読み耽っている姿があった。
僕の事など気づきもせず、自分の世界に浸っている様は西洋の絵画の様に美しかった。
人形小話04
「ジル、お客さんかしら」
本から目をそらさずにお嬢さまは聞いてきた。
「はい、梨花お嬢様お探しの人物です」
「そう。こっちに来なさい」
退屈そうにお嬢様は手招きをする。
僕は言われるがままお嬢さまのもとに近づいていく。そしてお嬢さまの正面に立つ。ようやく本から目を離すと、猟奇的な視線でまじまじと
見据えてきた。

「…みぃ~つけた」

それは健太が今まで見てきた表情の中で最も恐ろしく、そして美しい表情でした。
そして一歩踏み出すと、僕の首を思い切り締め付けてきた!
「う……う゛っ…」
こんな華奢な身体の何処にこんな力が…?
「ワタシはこの匂いを憶えている。健太はワタシのこと、憶えてる…?」
より一層首を締め付けていくお嬢さま。なんで僕の名前を知っている!?
「早く想いだしなさいよ!じゃないとワタシが健太を殺しちゃうから!」
更にきつく締め上げるお嬢さま。このままじゃ…
ふと、関節部分に目を向ける。
そこには人間とは異質のものがあった。あんな関節をしたものは今までで一回しか見たことがない。
「……君は、まさか子供の頃のあの人形… でも大きさが」
「あれから健太の事を想い続けていたらいつのまにか呪いの人形になってしまっていたわ。なぜか身体も大きくなって。それにちょっと服装を変えたら全然気づきもしないのね。目は変わっていないのに。」
「どうして突然僕の元から消えたの?」
「どうして?そんな事も説明しなきゃわからないの!?」
梨花は狂気すら感じる表情をした!
「ワタシは、健太の『りかちゃん』で居たかった!なのに!健太は!ワタシに怯えてばかりで、」
「でもあの時は」
人形小話05
「煩い! 人形は愛されなくなったら終わりなの!人形からただのゴミになってしまうの!」
「ごめん、許して…」
「ワタシが捨てられてからの10年、どんな思いだったか解る?解らないでしょう!あなたは良いわよね、他の人間と過ごせて、さぞ楽しかったでしょうね!」
「くるしい……」
「そんな愚かな健太に最後のチャンスを与えてあげる」
梨花は僕をボロ雑巾の如くたたき付ける。
「条件は一つ。健太が生涯ワタシの操り人形になってくれればいいの。簡単な事でしょう?」
梨花は優越に満ちた顔で僕を見下ろす。
「5…4…3…」
梨花は指を畳み、非情に時を数える。
「ぼ…僕は…」
十年分の想いと反省を込めて梨花に対し伝える。
「―ごめんなさい!」
「………………」
梨花の指が止まる。その顔は微かに驚いている様に見えた。
「……残念。もしここで恐怖心から赦しを請うようだったら生き人形にしてあげたのに。そんなことじゃ殺す気にもならないじゃない」
梨花は溜め息混じりにそう言った。
人形小話03
「帰っていいわ。帰り道はジルが近くまで送ってくれるから」
そう言って椅子に座ると、本を開きはじめる梨花。
「健太様のお宅までお送りいたします」
ジルさんが僕の背中を押し屋敷の外へと出て、僕は車に乗る。梨花の事もそうだけどジルさんには聞きたい事がたくさんあった。


「どうしてジルさんは梨花と屋敷に?」
帰りの車中、僕は気になっていたことを聞いた。
「きっと貴方のお宅から出ていった時のことでした。運転中、突然横から目の前に飛び出してきたんですよ。慌ててブレーキをかけて、何とか間に合いましたけど。それで捕まえてみたらあまりに美しくて。そのまま屋敷に持ち帰ったんです。最初は野良猫の様に落ち着きがありませんでしたが、本を与えたらすっかりああなってしまって。昔あの屋敷に住んでいた人が本を大切にしていたみたいで、古いものをたくさん読めるからと、今ではあそこに篭りっぱなしなんです。一度読み始めると全く動こうとしないんです」
「そうだったんですか…」
ジルさんが保護してくれていたとはいえ、僕は梨花を10年もの間「捨てて」しまっていた。謝罪はしたけれど、それだけで終わらせていいのだろうか。
「あの!ジルさん。お願いがあります」
「…なんですか」
「梨花を僕に返してくれませんか」
「どうしてですか?」
「このままじゃ、僕はずっと後悔したままなんです。一生、梨花のことを悔やんで過ごさなければいけないんです」
「……貴方はずるいです」
「ずるい?」
「私がずっと面倒を見てきたお嬢を、いきなり返せとおっしゃるのですから」
「それは…」
ジルさんの言うことも最もではある。でも…

「―貴方のお宅はこのアパートでよろしいですか?」
暫く考えている内に家に着いてしまった。
「はい…。ありがとうございました」
梨花はもう戻って来ないのか…
諦めの気持ちばかりが浮かんでくる。
「では、ごきげんよう」
そう言い残しジルさんは帰っていった。



それから数日後、家に大きな宅配便が届いた。中身は数冊の本と、紅茶を淹れる道具。まさか…
人形小話 06
「今日から再びあなたの人形になります。梨花です。」
「梨花!」
思わずぎゅっと抱きしめてしまう。
「私も一緒に住むことにします」
「ジルさん!」
僕の横を一瞥しながら通り過ぎ、室内に入っていくジルさん。もうすっかり僕と梨花のメイドさんみたくなっていた。
「ねえジル、紅茶はまだかしら?」
「今お持ちします」
「健太、肩揉みなさい」
「はい!」

人形小話01
梨花のお願いだったらなんでも叶えたくなる。僕の生活にはもう「梨花ちゃん人形」は居なくてはならない、大切な存在なのだ。
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「いらなくなってしまったら~」の下りがとても心に突き刺さりました。
今、手元に居るコ、手元を離れてしまったコ。
それぞれの事を色々と考えてしまいました。

Re:thieriさん

> 「いらなくなってしまったら~」の下りがとても心に突き刺さりました。
今回は「人形は大切に扱おうね」というテーマで作りました。youtubeとかで人形の怪談を見たりして、そういった関心が出てきたのです。

> 今、手元に居るコ、手元を離れてしまったコ。
> それぞれの事を色々と考えてしまいました。
手元に居る子も数が多くなると出番が減る子もいるし・・・ 
できるだけ色々な子に登場機会をあげたいとは思っているんですがね・・・

最初は怪談かと思いました。
でも、違いましたね。健太くんと梨花ちゃんの思い出のつまったほろりと暖かいお話しでした。
お話し読みながら、子供のころに大切にしていた私のお人形たちはどうしてるかな?とふと思い出しました。近所の子供にゆずったので、たくさん遊んでもらったでしょうがそのあとはどうなったかな?
また誰かに譲ったのかな?

健太君は梨花ちゃんにしっかり使われているけどなんだか嬉しそうですね。
一緒にいられる幸せをかみしめているのだろうなぁ

ふと思い帰ってみると、子供の頃、大切にして
いたゲームやおもちゃ、そして人形などが、
いつの間にか無くなっていることが、不思議で
仕方ありませんでした。
「どこにいったんだろう?」と・・・

所有者の愛情が無くなってしまうと、とたんに
無価値になってしまう。
でも、別の視点に立ってみれば、捨てられたと
思われる・・・
このことに気づいて入れば、「どこにいったん
だろう?」ということには、なっていなかったの
ですが・・・
今更ながら、反省しています。

健太君は梨花ちゃんを、今度はパートナー
として、いつまでも大切にしてくれるの
でしょうね。

Re:komoさん

> 最初は怪談かと思いました。
初めはそのノリで書いてました・・・

> でも、違いましたね。健太くんと梨花ちゃんの思い出のつまったほろりと暖かいお話しでした。
> お話し読みながら、子供のころに大切にしていた私のお人形たちはどうしてるかな?とふと思い出しました。近所の子供にゆずったので、たくさん遊んでもらったでしょうがそのあとはどうなったかな?
どうなったんでしょうね~? 今もクローゼットにあるのか、供養に出されたのか、それとも・・・

> 健太君は梨花ちゃんにしっかり使われているけどなんだか嬉しそうですね。
> 一緒にいられる幸せをかみしめているのだろうなぁ
少し遠回りをしてしまったけど、これからだんだん心も近づいてくるのでしょうね。

Re: 紳士マンさん

> 所有者の愛情が無くなってしまうと、とたんに
> 無価値になってしまう。
> でも、別の視点に立ってみれば、捨てられたと
> 思われる・・・
人形は見る人の気分でいくらでも表情を変える「鏡」みたいなところがあると思うんです。
しばらく見ない子だとどことなく不機嫌に見えたり、「今」可愛がっている子は優しい表情に見えたり・・・
出番が少ない子でも冬音の「家族」ですから、大切にしていかないと・・・

> 健太君は梨花ちゃんを、今度はパートナー
> として、いつまでも大切にしてくれるの
> でしょうね。
健太くんならきっと梨花(涼香)さんを大切にしてくれると思います。
でも着せかえはさせてくれないでしょうねw

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